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その日、俺はタケにねだられていた、プリクラをとってやろうと、思っていた。
「タケ、この間プリクラ撮り損ねたから、今日どう?」
俺が、タケにそう声を掛けたら、メチャクチャ嬉しそうに、
「ホント、蓮!」
そう言って抱きついてきた。
タケは、感情に素直だ。
そこに竜が、俺とタケを引き剥がす。
どうやら、タケが俺に抱き付いたのが、気に入らないみたいだ。
「うん?竜やきもち?」
俺が、竜の顔を覗きながら、尋ねる。
「…別に…」
“別に…”ってホント、竜ちゃんは素直じゃないなぁー…
気持ちを素直に表せない、竜の口癖だったりする。
そこに隼人が、
「なんで、タケとだけなんだ…」
「へェ?」
後ろを振り返ると、何か拗ねてる、隼人。
あやや、隼人まで…
隼人も、俺の事が好きみたいだが、本人に自覚はないみたいだ。
俺は、困ってタケに耳打ちする。
「途中であいつら撒くから、別のゲーセンで待ち合わせな!」
タケがいつもに増して大きな眼で、俺を見るとニッコリ笑って、“うん!”と頷いた。
そんなに嬉しいか、タケ!…可愛い奴だよなぁ…
そんな事思いながら、タケを見ていたから、竜が俺を睨んでいたのを、知らなかった。
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