Feel…感じて

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屋上に上がると、ちっこいのが慌てて、あいつ等の方に駆けていった。 俺は、それを見送ると、ゆっくり徒歩を進めて、矢吹隼人の前で、足を止める。 「逃げずに来たな!」 「逃げる訳ないじゃん!隼人君にデートに誘われて」  「はぁ?」 「で、俺としては、川原での散歩の方が、嬉しいんだけど?!」  「な、何言ってんだ!」 そう言って、隼人君が臨戦態勢を取る。 「う~ん?怪我させたくないんだよねぇ…」 「てめぇー逃げんのか!」 「…わかった…」 そう言って、俺も構えると、隼人君が突っ込んできた。 最初に拳を振り上げてきたのを、身体を捻って避けると、隼人君がバランスを崩して、倒れそうに為る。 俺は慌てて、隼人君の腕を取り、自分に引き付ける。 そして其の侭抱き締めた。 「な、何してんだ!」 俺の腕の中で暴れている、隼人君の耳に息を吹きかけて、 「ウ~ン、抱き心地は良いねぇ」 一瞬隼人君の膝が、ガックと落ちたが、直ぐに足に力を入れて、俺から離れる。 真っ赤な顔の隼人君に、俺は気を良くして、俺のほうから近付いて行く。 「てめぇー、な、何考えてんだ‼」 隼人は、真っ赤な顔で俺を睨んでいた。 う~ん…良い目してる。 俺はニッコリ微笑んだ。
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