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「俺…初めてだよ。おまえみたいな女。」
「私だって初めてよ…二重人格の男。」
「アハハ…!」
へたれて床に座り込む私を、手首を縛られた高荻さんが覗き込む。
…スゴい絵だ。
「どうしたら落ち着く?」
「…抱き締めて。」
「抱き締めたいけど…。」
ぐるぐる巻きの手首。
私は迷いもなくほどいた。
彼はびっくりしたように私見つめる。
「怖くないの?俺のこと…。」
「だって高荻さんだもの。」
彼の人形のように整った目と鼻が、じわっと紅くなる。
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