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「う゛ぅぅぅぅ!」
焼けるような痛みがレミを襲う。
膝をつきそのまま倒れ込んでしまった。
「(こんな、ときに……)」
何度も何度も立ち上がろうと体中に力を入れては歯を食いしばる。
しかし徐々にその力は足にいかなくなってしまった。
足に感覚がなくなったのだ。
「ぐぅぅぅっ!お願いだから動いてよっ!」
痛みに耐えながら声を荒げる。
「私は急がないといけないのっ!」
自然と涙がこぼれた。
「早くしないと大樹に二度と会えなくなってしまうかもしれないのっ!」
さらに声を張り上げる。
「イヤなのっ!好きな人を失うのはもうイヤなのっ!だから動いてよぉぉぉぉぉぉっ!!」
思いきり吐き出した瞬間に激痛は容赦なく押し寄せてきた。
気を失いかけたそのときだった。
「お前は確か……大樹の仲間の」
男の声がきこえた。
「……あ、あなたは」
その男の顔を確認して間もなくレミは気を失い男の腕に包まれた。
男はレミをおぶった。
「大樹……今行くぞ」
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