第1章 出逢い

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教室がざわめきだした そりゃそうだろう いきなり立ち上がり、いきなり泣き出すんだもん 本人でさえ、ワケわからんわ 「っ……先生すいません……体調が優れないんで保健室行っても良いですか?」 「あっああ……行ってきなさい」 とりあえずこのまま教室にいても怪しまれるだけだ(というかもう十分怪しいけど) 担任の許可を得たのでウチは足早に教室を出ていく そのとき転校生の顔がチラリと見えた 眉毛が八の字になっている。あ、心配してくれてるのかと思うと 胸がしめつけられそうになった ******* 「……っ…泣き止め泣き止め泣き止め……」 ウチはその後教室を出たが 保健室に行く気にもなれずやってきたのが2校舎裏だった 本当は屋上とか行きたかったが、以前先生達が危ないからだと言って屋上に鍵をかけてしまったのだ まぁ、ここならめったに人も来ないし、日陰になってるから涼しい ウチはまだ流れる涙を止めようとハンカチを目に押し付けた あ、鼻水まで出てきやがった……ちくしょう 「……グスッ…なんでウチ泣いてるんだっけ?」
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