第1章 ウサギ

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「・・・・あ」 「私・・・・」 「・・・・・・・・?」 薄暗い森の中、金髪の少女は座りこんでいた。 古そうなブカブカの服に、これまた古そうなブーツ。 とても綺麗とは言い難い服装だか 晴れ渡った空の色をした瞳はその中で、よく映えた。 「私・・・・・・・」 私とは誰なのだろう 誰にだって名前はあるハズだ 「・・・・・・・・・・」 思い出せない・・・・ 「どうしよう・・・」 場所もドコか解らない、ましてや森の中だ。何が起きるかもわからない。 困り果てた― 「お嬢さん」 少し低い青年の様な声が聞こえてきた。 誰だろう? なんだか怪しい 「・・・だれ?」 彼女は周りをキョロキョロと見た。声の主を探して すると― さっきよりも優しく笑みをふくんだような声が聞こえた。 「怖がらないで、決して怪しい者では・・・そのまま前に進んできてください」 彼女は一瞬、戸惑ったが声に従うことにした。
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