第1章 ウサギ

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薄暗い森の中をゆっくり歩いていく。 一体 なんなのだろう? 徐々に霧が森全体を包んでいった。 ―このままでは視界が遮られる・・・・・。 「霧は大丈夫です。安心して・・・」 「は・・・はい」 思わず返事をすると、クスッと笑われた気がした。 「あなた、は」 だれですか? ―霧で真っ白だった森が、元の姿になっていく・・・ 何かの存在を感じてふと、後ろを振り替えると、白い髪に夕日のような瞳 黒のシルクハットに黒の紳士服を纏っている青年が立っていた。 「こんばんは・・・・申し訳ない、日が暮れてしまったようだ」 青年は、月が見え隠れする夜空を見上げた。 彼女は戸惑いが隠せないのか、固まっていた。 「・・・クスッ・・・俺の名はルイス・・・獣人だよ」
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