story1、始まり

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~Natsuhi・Asagiri★(スペシャル) 豪華な部屋に大きなベッドに寝そべる夏火 ブルル…… その側にユニコーンが黒目がちな瞳で夏火を見つめている 夏「………おいで、ルルベル。」 そんなユニコーン・ルルベルをベッドに寄るように誘うと、その鼻面を優しく撫でた 夏「………やっぱり、謝った方が良いのかな……」 そう呟いた時…… コンコンッ 夏「開いてるわ。」 カチャッ 蜜「夏火ちゃん……」 蜜柑が心配そうな顔をして入ってきた 夏「なんて顔してるの?さぁ、こっち来なさいよ…お茶くらい出すわ。」 真っ黒な椅子とテーブルを示し、夏火はティーセットの用意を始めた 蜜「さっきの事なんやけど…」 夏「私ね、こんなアリスだから世界各国の秘密組織から注目されてるの…」 コポコポ… 広い部屋に甘いアールグレイの香りがしてきた 蜜「へ!?」 夏「乳飲み子の時、無理やり家族から引き離されて…本当は両親の顔おろか、家族ってものさえ知らないわ。」 蜜「………」 夏「私はずーっと各国の研究所をたらい回しにされていて、籠の鳥状態…そして誰かが言ったの。」 “君の心の揺らぎは世界の揺らぎとなる…” 夏「……ってね!」 カシャンッ テーブルに彩りのクッキーとティーカップが置かれた 蜜「それって……💧」 夏「組織的に言えば私は世界の“神”様……、でも私はある日“神”様である事に疲れたの。」 蜜柑の横に座りティーカップに口を付けた 蜜「……疲れたから学園に?」 夏「違うわよ、自分の気持ちを押し殺すのに疲れた…だから、私は“神様”を造った。」 蜜「“神様”を造った!?」 夏「そう、私の憂さ晴らしの為にも私の代わりになるような“神様”を…名前はミコトリよ。」 ガシャンッツ それを聞いた瞬間、蜜柑が手を滑らせ持っていたティーカップが割れた 夏「あーあ、なにしてんのよ💧」 蜜「ミコトリ……様?」 呆然となりながらその名を口にした 夏「そうよ、“美小鳥”って書いてミコトリ!」 破片を片付けながらも説明した
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