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「ありがとう…英明。私もずっとずっと一緒に生きたい。…アンタレスみたいに。」
そう言った深月の目にはキラリと光る涙が輝いていた。
「元気になったら一緒に天体望遠鏡で星を見よう。…山か高いところなら綺麗に見えるよ。…その時は深月の好きな蠍座も見よう。」
「じゃあ夏じゃなきゃダメじゃない?…無理ならプラネタリウムでも良いな。」
「ダメだよ。ちゃんと本物のアンタレスと蠍座を見よう!」
僕の力説に深月はクスクス笑いながら、漸く縦に頷いてくれた。
深月が退院して僕らは一緒に星を見る事にした。
ただ山に登るのは医師から反対された為、近所の学校に頼み込み、漸く準備をして深月を待った。
「…お待たせ♪…でも良く学校の許可が下りたね?」
「毎日校長先生に土下座して頼んだかいがあったかな?」
僕が笑いながら言うと、深月は苦笑した。
確かに校長先生は最初は反対した。
だけど深月の病気の事を話し、どうしても星を見せたい旨を告げたら、校長先生も漸く頷いてくれたのだ。
僕は深月に天体望遠鏡の側に来るように告げた。
天体望遠鏡を深月は覗くと、感嘆の声を上げた。
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