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「うわぁ…綺麗♪…アンタレスって本当に真っ赤なんだね。…蠍座もSの形してる♪」
ニコニコと微笑む深月に、僕はドキドキしながらそっと抱き寄せた。
「深月…二十歳になったら結婚しよう。…深月が今まで辛い思いして来たのは知ってる。だからその辛さを僕も一緒に背負って生きたいんだ。」
「……英明…。ありがとう…でも…私…」
「それ以上先は…言わなくて良いから…」
彼女が言おうとした言葉は分かっていた。
『でも私は残り半年しか生きられないの。』
それでも僕は本当に深月を愛していた。
残りの未来など少なくても、深月の側に居て不安を取り除ければ、他に何も要らなかった。
いつか奇跡が起きて深月の病が治ったら…とそれだけを望んで…。
だが医師が言うように、深月の身体はだんだん悪くなっていった。
入院の回数や発作の回数も増え、家から出れない日もあった。
ある日…
僕は深月に似合いそうな天使の羽をモチーフにした銀色のペンダントを見つけた。
「…これ…下さい。」
宝石店に入ってペンダントを購入した時に、僕の携帯が鳴り響いた。
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