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「現在、リバースワールドにはお前らを含め、約5万人が生活している! 住居エリアには現実世界と寸分たがわぬ町並み! 学校もあれば、会社、河川敷だってある! ……しかしこの電脳世界にはボザーノイズと呼ばれる、災厄を招く連中も同時に存在している。お前らに降り懸かるデリートの危険、つまりは火の粉を、身を呈して跳ね退ける! それが私達ステアライズ、分かったな!」
「……お、おぉっ」
人々の間から、どよめきにも似た叫喚が沸き上がる。
確かにこの人になら守られても良いかもしれない、なんて思った俺は、ヒモノ男の素質持ちか。
まさしく威風堂々。ましてや今後の僕たち私たちの快調なセカンドライフを、私達がサポートしてやるぞ! なんて言われてしまった今、彼女からは神々しいオーラさえ感じられる。
勿論、気のせいではあるが。
なんて無意味にオーラが云々と妄想に耽っていた俺、フと気が付くと、スーツ姿の優男が黒薔薇に近付き、何かを耳打ちしている。
すると彼女は小さく頷き、コホンと咳ばらい。改めて拡声器を通して指示を出し始める。
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