Double:Face/ダブルフェイス

12/12
前へ
/122ページ
次へ
  「クライム、シオンを作戦会議室へと案内してやれ」  はいはい、そうですね。作戦会議室うんうん。  ……で? そろそろ意味がわからないのリミットいっぱいなシオン君だぜ?  実のある、明確な説明はまだなのかい? 「イエッサ。――というわけですのでシオンさん、作戦会議室へとご同行願います。詳しい話はソチラで」 「ま、待ってくれ! ええっと、つまりはなんだ、俺ってば連中とは別待遇なのか?」  連中と言ってゲートの先を指差す俺。  もう幾分も距離が開いてしまったらしく、その後ろ姿さえ見ること叶わぬ、安寧なセカンドライフを確約された先の群集。 「そういうことになる」  冷徹に切り紡いだのはカミナ。  そうしてその淡い薔薇色をした唇は、彼女の去り際に再び動き出し、こう音を立てる。 「歓迎するぞシオン。選ばれし能力者、そして新なステアライズ。私達の同胞よ」  表の世界でのことなんざ、これっぽっちも覚えちゃいない俺であるが、どうやら今生の世界は波乱の幕開けらしい。  ワッツ、ハプン。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

461人が本棚に入れています
本棚に追加