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「クライム、シオンを作戦会議室へと案内してやれ」
はいはい、そうですね。作戦会議室うんうん。
……で? そろそろ意味がわからないのリミットいっぱいなシオン君だぜ?
実のある、明確な説明はまだなのかい?
「イエッサ。――というわけですのでシオンさん、作戦会議室へとご同行願います。詳しい話はソチラで」
「ま、待ってくれ! ええっと、つまりはなんだ、俺ってば連中とは別待遇なのか?」
連中と言ってゲートの先を指差す俺。
もう幾分も距離が開いてしまったらしく、その後ろ姿さえ見ること叶わぬ、安寧なセカンドライフを確約された先の群集。
「そういうことになる」
冷徹に切り紡いだのはカミナ。
そうしてその淡い薔薇色をした唇は、彼女の去り際に再び動き出し、こう音を立てる。
「歓迎するぞシオン。選ばれし能力者、そして新なステアライズ。私達の同胞よ」
表の世界でのことなんざ、これっぽっちも覚えちゃいない俺であるが、どうやら今生の世界は波乱の幕開けらしい。
ワッツ、ハプン。
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