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質問をした男性もガックリうなだれ、どうやらそこの間の質疑応答は終わったらしい。
うん、僅かに一往復ではあったが。
「はい、そこの黒いパーカーのお前、言ってみろ!」
次いで挙手をしていたらしい、中年男性に発言権が与えられる。
群集の中央部から、怖ず怖ずと問う。
「ええと、あの、貴方達は一体――」
「おーう! お前、良いことを聞いたぁ!!」
待ってましたと言わんばかりに、如実にテンションをフルスロットルで高揚させた黒い薔薇。
というか今、言われて気付いた!
黒薔薇のインパクトが強すぎで影を潜めていたが、斜め後方にもう一人。
タイトなスーツを着こなし、どこか現実離れした灰色の髪。これまた存分に整っていると言える優面の青年が、そこにその身を据えていた。
そして再び拡声器から放たれる大音量を契機に、俺の目線は再び女性へといやがおうでも移り変わる。
「“ステアライズ”、それが私達の名であり、諸君の安全を守る、リバースワールドにおける選ばれし自治警団だ!」
ああ、またしても新しい単語である。
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