鮮血~エピローグ~

2/3
前へ
/75ページ
次へ
のりこは一瞬、何が起こったのかわからなかった。 だが即座に下腹部に激痛が走り、のりこはゆっくりと視線を下に向けた。 『……何……これ……』 自分の腹に、銀色のナイフが刺さっていた。 そして、刺された場所から徐々に赤い血が滲み出てきて、のりこの服を真っ赤に染めていく。 のりこは、まるで初めて自分の血を見るように、鮮血に染まる服を見つめた。 『血って……こんなに赤かったかしら……』 頭が正常に働かない。 何か、映画でも見ているような錯覚を覚える。 現実の出来事ではないような……。 他人事のような……。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加