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今日はその料理教室の日。
今から向かうところだ。
料理教室は住宅街から少し離れた場所にあるが、歩いても苦にならない距離だ。
私はいつものように、身支度を整えた後、家を出た。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
料理教室の開始前、今日から加わる新しい人が紹介された。
名前は大野紀子(おおの のりこ)。
最近この近辺に越してきたらしい。
年齢は私と同じくらいか?
セミロングの黒髪に、軽くメッシュが入っていて、そして非常に痩せた印象で、綺麗な女性だった。
最近アパートに越して来たという新しい住人なのだろうか?
偶然にも彼女とペアを組んで料理を作ることになり、私は彼女と改めて自己紹介をし合った。
「大野です。よろしくお願いしますね」
彼女は微笑んでそう言った。
「こちらこそ」
私も微笑みを返した。
……彼女との出会いが、私の人生を“狂わす”事になるとは、この時の私は思いもしなかった。
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