2.過ち

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「──ほんとですかぁ?あたしは苦手だなぁ……」 「大丈夫よ。コツさえつかめば意外と簡単だから」 「じゃあ今度、優季さんのレッスン受けようかな?」 「いいわよ。まぁ、私も料理教室に通ってる身だから、あんまり偉そうにはできないけど」 そう言って私は笑った。 ……料理教室が終わった後、私と大野さんは二人で近くの喫茶店でおしゃべりをしていた。 料理教室で話をしたら、すっかり意気投合してしまって、私達はすぐに仲良くなった。 見た目通り、彼女は私と同年代で──というより、偶然にも同じ歳(36歳)だった。 他にも、趣味や考え方など、共通点が沢山あり、私達は出会うべくして出会った、と二人で笑って認め合った。 あまり特定の友人を持たない私にとって、気の合う友人ができたことは、本当に喜ばしいことだった。
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