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「そう!!じゃ、じゃあ早くしましょ、早…」
「と、思ったんだけどぉ…」
愛美さんが人差し指を下唇に当てる。
「? どうしたんですか?」
「葵ちゃんにはお母さんより蒼ちゃんを手伝ってもらうことにしまーす♪」
「へ?」
「えぇぇぇぇ!?」
「蒼ちゃん、引っ越して来たばかりだから荷物の整理とか大変でしょ?」
「えぇ、まぁ…。一人だと少し時間かかりますね…」
確かに荷物だけでなく掃除など一人でやるにしては少し量が多すぎる。
少しでも人手が借りられるなら正直に言うと助かる。
「だってぇ。どうする、葵ちゃん?」
「あ、あたし自身は構わないけど…」
葵がこちらの様子をチラチラと見てくる。
恐らく俺の反応が気になるのだろう。
「葵がいれば助かるよ。ありがとう♪」
笑顔で答える。
「べっ、別にあんたの為じゃないっての!!//
お母さんに頼まれたから仕方なくよ、仕方なく!!//」
「我が娘ながら素直じゃないわねぇ~(ボソッ」
「ん?何か言いました?」
「ううん、何でも無いわよ♪」
「ほら、鍵!!早く!!」
葵は早くも柵を開け、玄関の前に立って不機嫌そうにドアをコンコンと叩いている。
「あぁ、ゴメン!今行くよ!!」
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