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「なんてことだ…。
アシガル、こちらに向かって来ます…
到達まであと3…2…1…」
厚みのある壁が並んで3箇所大きく崩れ、壁に寄りかかった何人かの学者が下敷きになる。
崩れた先に見えたのは手に魔力ブレードを持つ鎧を着た鋼の骸骨。彼らの言う「アシガル」だ。
「なんだ、こい…」
言葉の途中で教授の首が飛ぶ。
それを皮切りにアシガルは機械独特の音を立て魔力ブレードを使い、目の前の教授達を襲い始める。
突然の出来事に見学に来ていた教授たちはパニックに陥り、出口を目指す。
「うわぁ!!一体なんなんだよ!?」
「出口を探せ!!そこから逃げるんだ!!」
「非常口があったぞ!!ここから逃げられ…。
…開かない…なんでだよ!!」
何人かが非常口の扉に体当たりをしたり、ノブを何回も回し、押したり引いたりするが、扉はビクともしない。
「クソッ!!どうなってんだよ!!」
一人の若い教授が扉に蹴りを入れる。
後ろからアシガルの機械音がする事も気づかずに…。
警告音は暫くしてもやむことはなかった。
会場に、…いや、実験所に誰一人、生者が居なくなった後も…。
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