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「アハハハ…
…俺を息子のように可愛がってくれた叔父さんには本当に感謝してる。
ありがとう、親父」
「蒼介…。バカ野郎…、最近、年のせいか涙もろくなってんの知ってんだろ?」
言葉の最後の方が震えていたのを俺は聞き逃さなかった…。
俺に背を向け小さく震えながら袖口で目を押さえる叔父さん。
しばらくするとそれが治まり、少し赤い目でこちらを向く。
「色々大変だろうけど頑張れよ?
お前は俺の大事な大事なバカ息子なんだからな!!」
叔父さんが握り拳を前につきだす。
「あぁ。頑張るさ。いや、頑張れるさ」
俺も握り拳を作り叔父さんの拳にコツンと当てる。
これは叔父さんが決めた約束の仕方だ。
「じゃ、俺はこれから用事があるからさっさと帰っちまうけど、なんかあったら電話しろよ?」
「うん、「また」ね」
「あぁ。「また」な」
次もまた会う約束をして車は俺を残し、来た道を帰っていく。
俺も新しく、そして懐かしい家に足を進める。
叔父さんの家に未練がないって言ったら嘘になる。
でも、「自分で決めたことは意地でもやり通せ!!」っていう叔父さんの教えに背きたくない。
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