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―キィ...
俺たちの沈黙を破るように
その音は鳴った。
ヒョンだけが音の方に顔を向ける。
「あ、やっぱりここに居ましたか。」
その声の主は
振り向かないでも分かった。
「ジェジュンヒョン。
次撮影の番ですよ?
そろそろ帰っておいた方が
いいんじゃないですか?」
どーやら結構な時間
喋ってたみたい。
「うん、そーしとくよ。
ユノに怒られてもいけないしね。
わざわざありがと、チャミ。」
「いえ、別に。」
2人の会話に俺は耳だけを傾ける。
「ほら、ユチョン。帰るぞ。」
襟足を引っ張られて
無理矢理、手すりから離される。
「へーい。」
間延びした返事を返せば
ヒョンは俺の肩を抱いて歩き出す。
「何を話してたんです?」
扉の前で立っていた
チャンミンが口を開く。
お前の事だよ、なんて
口がさけても言えねぇ。
「ん?それは秘密~♪」
チャミの方に歩きながら
ジェジュンヒョンは答える。
一瞬、チャミの眉が眉間に
寄った気がしたのは
俺の気のせい…だよな?
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