第1章 ー大好きー

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「心の準備はいいか?」 「だ、大丈夫っ」 小声でそんな会話を交わしたあと、ゆっくりと歩くスピードを上げていく。 「や、やっぱ無理」 「逃げるな祐介」 ただいま目の前にいる女の子を追跡中。今回ターゲットとなっている女の子は、俺の幼なじみの[新宮未来]だ。 別にスカートをめくるだとか、後ろから驚かしたり、ましてや拉致なんてことをするために追跡しているわけではないぞ。 単純に、告白がしたい。 ただそれだけだ。 「やっぱやめよう」 「ふざけんな今しかないって」 この弱気な奴……そう、俺の名前は[神崎祐介]だ。 この強気な方は俺の親友で、名前は[藍葉拓舞]だ。 「神よ、我に勇気を」 「早く与えてもらえ」 そうこう言ってる間に、 「あれ?祐介と拓舞?」 「あっ...」「あっ...」 新宮未来に気づかれてしまった。なんてツイてないだろうか。
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