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物語とは、ある日突然始まるのだ。
誰かが差し向けたわけでもなく
本人が始めたかったわけでもなく
唐突に快活に円滑に、勝手に物語は始まる。
そこには本が1冊ある。
そよ風が吹き、表紙が捲れ、パラパラとページが風に流される。
物語とは、正にこのようなものなのだ。
そして、また1人の少年の物語も、始まりを迎えようとしている。
少年1人では物語の始まりまで行きつけはしないだろう。
――だがそれは、「1人では」という話だ。
少年は1人ではない。
少年は「出会い」を果たし、物語の最初の1ページ目を今、捲る。
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