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僕は、絵を描く事が大好きです。
特に、夕日の絵が大好きです。
あの色を見るだけで、心が踊ります。
ある日、僕はいつものように絵画教室というものに通っていました。
ここには先生と僕しかいません。
僕はいつものように、夕日の絵を描きました。
この日はなかなか綺麗な夕日が描けずにいました。
それでも、僕はその絵でも満足していました。
ところが、先生は僕の絵を見るなり、爆発するように怒鳴り始めました。
何を言っていたのか、うるさくて全くわかりませんでした。
そして、先生はいきなり僕の絵に大きな黒いバツをつけました。
僕はそれを見て、悲しいような、怒りたいような、よくわからない気持ちになってしまいました。
気がつくと、僕はペンケースから鉛筆削り用のカッターを握っていて、
力の限り、それを先生の背中に刺していました。
先生は奇妙な声を出しながら倒れました。
その際、刺したカッターが抜け落ちました。
それを見て、僕はあることに気がつきました。
先生の背中から、とても発色の良い赤が流れ出ていたのです!
それは正に僕の求めていた色でした。
僕は早速絵筆をとり、先生から漏れ出ている絵の具を使って夕日を描き始めました。
さすが先生!先生の血はとても良い色を出してくれる!
僕は完璧な夕日を描きあげました。
しかし、おかしいのです。
せっかく完成した真っ赤な夕日は、
次の日にはどす黒い夜の絵になってしまったんです。
どうしてでしょうか?
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