一章

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……―今年の春、期待と不安を抱きながら社会人になったあの日。 産まれて初めて一目惚れというものをした。 利用者さんに向けられる優しい言葉、笑顔。 見た目も私のドストライクだった。 「福田です、よろしくお願いします。」 「よろしく。俺は中谷。 分からないことがあったらすぐ聞いて。 分からないままにしておくと困るのは利用者さんだから。」 …意外だった。 見た目は介護なんてしてなさそうな容姿なのに。 でも、間違いなく私は恋に落ちた訳なんですけども。 「おい、聞いてるのか?」 .
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