蛍火

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ

蛍火

蛍火を追って来てしまった  あなたがまどろむ森の木は そこだけが浮かび上がるように 照らされていた 神聖なその場所は 無垢な魂だけが抱かれるように 静かに眠っている… 気が付けば 身体から抜け出した心だけが あなたの安らかな寝顔を見ていた 蛍たちに紛れて 迷い込んだその空間は 時空を超えた場所に たしかに 静かに存在している 誰も信じなくても 蛍火に導かれて 私はたどり着いたのだから あなたが生きる夢幻の森は  選ばれしものだけの世界…
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!