スキンシップという名のセクハラ

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「あ、髪も焼けてるからトリートメントも必須ね。シャンプーもあげる。ちなみにこれ、俺も愛用してるやつなの。めっちゃいいよ」 にこにこ、きらきら。 そんな擬音が似合う笑顔で渡されちゃ、断れない。 「これ全部くれんの?」 「もちろん!あなたのために買ってきたんだからっ」 母ちゃんみたい、とは言わない。 前に一度言ったら、物凄くショックを受けていたから。 「すげぇな……ありがと」 ちょっと最近、べたべたくっついてきて鬱陶しいとか思って悪かったな。 これが奴の愛のあるスキンシップなのかもしれない。 だが、こんな俺の寛大なココロを奴はあっさりと踏み潰していった。 「だから、さ」 「ん?」 「化粧水や乳液の使い方教えるから家に行かせて?てか、一緒にお風呂に入ろう!!」 「…………」 イケメンなのに。頭いいはずなのに。 「あっ、いや!身体がどれだけ焼けてんのかなーと思ってさ!!俺は服着てる部分だけ白いあなたも大好きだよ。てか、あなたの汗すら愛してるから!」 奴は昔から俺に対して変態です。 次の日、奴から貰った一式を使い、仕事に行ったら。 「俺と同じ匂いがほのかに香ってる……!ヤバい、興奮するっ」 これが目的か。 fin. 変態な奴に対して慣れてきた自分が恐ろしい
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