きっかけ

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「はあぁぁぁあ!? 冗談は顔だけにしろよもっちゃん!」 無事に二年に進級した春。 職員室にはオレ 東條 太陽(とうじょう たいよう) の叫び声が響いた。 「おい、失礼な奴だな。 てかここ職員室ぞ、バカ」 ゴツンッ 「あたっ!」 眉毛をピクピクしながらオレの頭を殴るのは、担任になった 森田 守男(もりた もりお) 30歳、独身 通称もっちゃん。 「てか何でオレなんだよ!」 「お前が俺のHRの時間に寝るからだろ。 まあ、お前の性格なら大丈夫だ」 「大丈夫じゃねーよ!」 ふざけんな、ふざけんな! なんでオレが……! 「しょーがない。 代わりに屋上の鍵やるからよ」 「よし、引き受けたっ!」 そう言った途端、 ニヤリと勝ち誇った顔でもっちゃんは笑った。 し、しまったぁぁぁあ!! 「えっと今のは……」 「なしとかナシだかんな」 「……最悪だ」 こんなことになったのは遡ること30分前…… ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーー ーーー… .
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