隠された狂気

逮捕状

　当然のことながら、その装着を拒否することも出来る。その技術が確立された当時は人道的な観点やその他様々な面から大きな反発もあった。しかし、その器具を装着することは、犯罪に巻き込まれた時に自分の無実を証明する大きな証拠となると言う副産物があった。なぜなら、その器具はそれを装着した人物が何をしてきたのかを映像で記録する機能を有していたからである。裏を返せば、それを装着しないと云う事は、犯罪者予備軍、もしくは犯罪者では無いかと疑わる遠因となるのだ。そして、それを身につけない人間は就職すらままならない状況になっていった。