隠された狂気

逮捕状

　そのため、人々はその器具を身につけざるを得ず、今や装着率九八パーセントという数字を達成していた。
　そんなことを考えていると、私は目的の部屋の前にたどり着いた。警視庁捜査一課と表札がかかっている。大昔には花形だった一課ではあるが、今では職員は私を含めたった二人の小さな部署だ。
　先ほどの携帯電話の発達により、ほぼ仕事を無くした我々は、いつしか窓際へと追いやられ、今ではこのような一室をあてがわれるだけとなっていた。