-汝のみま幸くあらば-

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-汝のみま幸くあらば-

夜毎岸辺に語らくは 声を無くした風達で 叫ぶ言葉は我が耳へ 届かぬまでも其が心 しかと響いた胸の内 燈揺らぐさ夜更けに 飛び立つ鳥の背掴み 最果てを指し光る天 深淵の世にぞ誘う地 共に無常と知らぬ人 我は甲夜の旅すがら 寄りつ出逢うた鏡池 君が面影ありけりと 生うる橘手折らめば 花房もぎった髪飾り 寄せつ返りの徒波へ 便り流さば濡る頬や 袖に拭いて浮く言葉 先は長くも後無しと 幸を示さむ友の箴言
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