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ベンゼンが前足を振った瞬間、反射的に腕を前に出し、顔はどうにか守り切った新木だが、胴体や太股に血を受けてしまい、新木はその場に崩れ落ちた。
「真奈美!!」
園田は新木に声を掛けるが、新木の反応は無い。
すぐに駆け寄ってやりたい気持ちであったが、間にベンゼンが立ちはだかっているため、迂闊に動けない。
「ククク……
貴様はまた、似たような状況になったな。
仲間がいなくなって、一人でこうして死を待つのみ。
前回は殺し損ねたが、今度こそ貴様を殺せる」
「やっぱり、お前、ベンゼンか」
紫色の光線を見て、園田はずっとベンゼンだろうと予想はしていたが、殺し損ねたというベンゼンの言葉が、園田にそう確信させた。
ただ、園田は、この前と同じ状況だとは思っていない。
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