舞い降りた地獄

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なぜなら、前回は死を待つのみの状況であった園田だが、今回は動ける。 武器もある。 それに、周りに倒れている仲間がいる。 今回は、自分が人を守る番だと、園田は自分を奮い起たせた。 尻尾が弱点であることは確かだ。 それを踏まえて、園田には勝てる算段があった。 しかし、それを成功させるには、ベンゼンの攻撃を一度避ける必要がある。 園田は賭けに出た。 「隙ありだ、ベンゼン!!」 園田は叫びながら、よりベンゼンの近くに走りより、マシンガンをベンゼンの尻尾の方へ構えた。 しかし、それはベンゼンの尻尾を狙えるような位置では、到底無かった。 ただ、ベンゼンは不意を付かれたかのように、焦るように残っている方の前足で、園田を引っ掻きに掛かったのだ。 あまりに体長が長いため、ベンゼン自身、相手から見てどれだけ尻尾が狙いやすい位置にあるかの、判断がつかなかったのだ。
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