Creature Cage

舞い降りた地獄

園田かこのような行動を取ったのは、当然だが、ベンゼンの攻撃を誘うためだ。

ベンゼンとの距離を上手く見計らっていた園田は、軽々とベンゼンの攻撃を避けた。

片方の前足は空振り、そしてもう片方の前足も、興奮して食いちぎってしまっているベンゼンには、膨大な隙が生まれた。

普通の的なら、ここで頭部に一撃をお見舞いするところだが、ベンゼンの弱点は尻尾。

園田はベンゼンの側面に回ると、素早く尻尾の方に走り出した。

しかし、身体の長いベンゼンの尻尾からは、まだまだ距離がある。

その距離から銃を撃ち、尻尾に当てることができれば完璧だが、せっかく作ったチャンスだ。
園田は百かゼロのリスクのある攻撃はせず、確実に五十を取りにいった。

園田は剣を出すと、返り血を浴びないように、できるだけ体をのけ反りながら、剣をベンゼンの体に振り下ろした。