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園田は、ベンゼンの体のラインに沿うように、後方へ走ろうと、足を出したが、その足をもう一度地面に着けることはできなかった。
「調子に乗るのも大概にしろよ」
殺気に満ちた声を出したベンゼンは、園田の両腕と腰を纏めて握り締めていた。
前に出した足が地面に着かないどころか、ベンゼンに持ち上げられて、もう片方の足も、地を離れてしまった。
園田はもがいて逃れようとするが、クリーチャーであるベンゼンの力を、上回ることは出来ない。
ベンゼンは、園田を掴んだ手を口の前まで持ってくると、口を大きく開いた。
元からグロテスクであったベンゼンの姿は、銃弾などを多数受けているため、より醜い姿となっている。
そしてついに、園田の目の前で、ベンゼンの口の中に、紫色の光が姿を現したのだ。
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