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「うわあああぁぁぁ!!」
何度も見てきているあの光線。
園田も、破壊力は十分理解している。
身動きの取れない状況で、この至近距離でベンゼンに光線を撃たれれば、間違いなく死が待っている。
園田は思わず、震える悲鳴をあげてしまったのだ。
そんな時、絶望する園田にも、その絶望を作っている張本人であるベンゼンにも、床に倒れていた影が、よろりと立ち上がったのが、視界の片隅で確認出来た。
片方の手には銃を持っていて、立ち上がるとベンゼンの尻尾の方に向けて走り出した。
新木だ。
ベンゼンは女だからと、油断していた。
先程掛けた血で、すでに戦闘不能だと思い込んでいたのだ。
確かに、新木はろくに動けるような体では無かった。
胸に受けたベンゼンの血により、皮膚は溶け、出血している。
しかし、彼女には動かなければいけない理由があったのだ。
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