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ああ、だからこうなったのだろう。
バチーンと良い音が響いた。
目の前の女の子に叩かれたのだ。
しかし、それに文句を言うことはせず、俺は心の中で苦笑いをした。
…当たり前のことだと思う。
そもそも、彼女と付き合い始めた理由が、彼女のストーカー行為をできるだけ穏便な方法でやめさせるため…というのが問題だ。
大学の寮の部屋に手紙を大量にバラまかれてたり、悪戯電話がひどかったり…
他の解決策があるのに、俺は彼女の思いを受け入れた。
ひどいとは思う。
好きでもないのに付き合うなんて。
しかし、俺の口から謝罪の言葉は出ない。
何故かって?
それはとても簡単なことだ。
…俺は彼女のことが好きではないから。
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