さらに深くっていうかもともと深くねーよ

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「あ、優希。おーい、優希ー!」 珠希は食堂で優希を呼ぶ。 先に来てた珠希が気付いたのだ。 そして呼ばれる優希よりも呼ぶ珠希の方が注目されていた。 食堂にいる人間全てが彼女を見るような―― 「なんでここにいるの?」 「えへへ、弁当忘れた」 「バタバタしてたから置いて来たのか。相変わらずドジだなー」 気にすることなく会話をしていた。 いや、むしろ慣れっこだし。 そもそも珠希は県内トップクラスの美少女だ。 見られることは日常茶飯事、気にしたら負けだ。 「頼んだの?」 「うん。姫子が持ってくるって」 「ふーん」 「それより朝霧くんはなんで止まってるの?」 「い、いや、なんでもないです」 座っていても見てくる男子の視線が煩わしく感じてきたようで健太はイラつきだした。
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