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「まるで見せ物じゃねえか」
「仕方ねーよ。姉貴は人気だからな」
「だからって」
「そんなことよりあの女知ってるか?」
優希が見てるのは食堂にいる女。
なかなかの美少女だが珠希の存在感で目立たない。
「ちょっと、お姉ちゃん以外の女の子の話は禁止だよ!」
「あ、ああ。ちょっと黙ってて」
「なんですと!?」
「あれはスパイだ。多分千葉の女」
「なんでわかる?」
「女でお前のお姉さん見てるやつなんていねーよ」
「な! そそそ、それはどういう意味かな」
「あ、違うんですよ。魅力的すぎてって意味です」
会話している間、女は一瞬だけ出口を見た。
誰も気付かないくらい一瞬。
しかし優希からしたら明らかすぎる一瞬だった。
「…………対決の時かもな」
優希は悟るように呟いた。
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