さらに深くっていうかもともと深くねーよ

4/14
前へ
/81ページ
次へ
『島崎優希、至急職員室に来い』 「そんな呼び方かよ」 「あ、初呼び出し」 「本当だ、初呼び出し」 「え……なんかあるの?」 優希が問うが冗談を言っている顔ではなかった。 かといって深刻な顔ではない。 まるで奥歯で苦虫を噛んだような表情だ。 てか苦虫ってなんだ? とりあえず情報求む。 「なんかプレセントがあったりして」 場は凍ったが愉快そうに健太は笑った。 「はは、赤っ恥のプレゼントだよ」 「は?」 「いいか? よっぽどの事件が起こらない限り呼び出しなんてない。逆に言えばよっぽどの事件を起こした。犯罪者扱いされんじゃねえの?」 「犯罪者扱い?」 「名前を認識されたらすぐに流出するぞ。問題起こした生徒は一瞬で噂になる」 同級生はへっへっへと不気味な笑い声を漏らす。 俺、真面目なんだよなぁ、と思った優希は足取り重く職員室に向かう。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加