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『島崎優希、至急職員室に来い』
「そんな呼び方かよ」
「あ、初呼び出し」
「本当だ、初呼び出し」
「え……なんかあるの?」
優希が問うが冗談を言っている顔ではなかった。
かといって深刻な顔ではない。
まるで奥歯で苦虫を噛んだような表情だ。
てか苦虫ってなんだ?
とりあえず情報求む。
「なんかプレセントがあったりして」
場は凍ったが愉快そうに健太は笑った。
「はは、赤っ恥のプレゼントだよ」
「は?」
「いいか? よっぽどの事件が起こらない限り呼び出しなんてない。逆に言えばよっぽどの事件を起こした。犯罪者扱いされんじゃねえの?」
「犯罪者扱い?」
「名前を認識されたらすぐに流出するぞ。問題起こした生徒は一瞬で噂になる」
同級生はへっへっへと不気味な笑い声を漏らす。
俺、真面目なんだよなぁ、と思った優希は足取り重く職員室に向かう。
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