ミラクル

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「まったく、そんなにでかいのが好きか」 テレビにはグラビアアイドルが映っていた。 声からして若干卑屈になっている。 「いや、テレビだ……し」 バスタオルを体に巻いた状態で身を乗り出していた。 しっとりと濡れた髪が色気を感じさせ、風呂上がりの甘い香りが漂よっていた。 「服着ろよ」 「寝る前には着るよ」 「今着ろよ。漫画じゃあるまいしサービスはいらん」 「彼女もいない弟のために」 「いや、いい」 「いざ強盗が来たら私に見とれるし。服だけに」 「は? ああ、来たらと着たらか。言い訳しないで着ろって」 文句を言いながらもバスタオルを投げる。 バスタオルは彼の頭を覆う。 彼はそれを丸めて洗濯機に持っていった。 極力姉を見ないように。
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