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ある時見つけたのは、まだ十代も前半であろう少女だった。遊びたい盛りだろうに銃を手に持って少女はきりりと前を見据えていたのだ。
ああ、何故あのような年若い少女が死地へ赴かねばならないのだ。
死ぬのは大人の、もう年老いた私たちで良いではないか。
あのような子供が戦争に駆り出され、人を殺したり人に殺されたりだとかをするのは大人の兵士だけで良い。
あのような子供をどうこうする力など大人には無いではないか。
あってはならぬではないか。
ある日見つけたのは、まだ十代後半であろう少年だった。青年と言うが正しいか、筆を手にして優しい瞳でただ前を見つめていたのだ。
ああ、何故あのような年若い青年が目の前で理不尽な父母の死を目にしなければならないのか。
そんなものは見ぬままに、ただ優しく微笑むだけで良いではないか。
あのような子供の前で家族を処刑するなど、私たちで良いではないか。殺すのならば、子もいない老いた私たちで良いではないか。
あのような子供の前で優しい父母を処刑する力なぞ大人には無いではないか。
あってはならぬではないか。
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