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それを見た桃太郎は、自分が『安堵』という感情を抱いている事に気付きました。 もちろん彼女に対して嘘を付いた後ろめたさや、謝罪の思い。 我が子が重傷を負った上に、罵倒される事への同情もあったが、『安堵』していました。 自分がしでかした傷害事件が無かった事になる、そんな『安堵』が桃太郎を支配していきました。 おばあさんの罵倒はまだ続いています。 相手の親は硬い握り拳を作り、細かく震えています。 そしてとうとう涙がこぼれてしまいました。 帰り道おばあさんは桃太郎の頭を撫でながら 「今日みたいな事があったら、すぐに相談するんだよ。 おばあちゃんが守ってあげるからね」 「わかったよ、おばあちゃん。ありがとう。」 桃太郎はニッコリ笑いながら、言いました。 おばあさんもニッコリ笑っていました。 何かが崩れる様に変わりました。
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