49人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
とりあえず、さっき言った通りの公園で話を聞くことになった。
ベンチの近くに自販機があったので、とりあえずなにか飲み物を買う。
少女の注文は紅茶だったので買ってやった…やさしいな、俺。
「あんたの名前は?」
紅茶の蓋を開けながら少女がたずねる。
「なんで見ず知らずの女に名前を教えないとならんのだ」
別に教えてもいいが……一応な。
「偽名でもいい」
「いいのか……。じゃあ、I(アイ)で」
「女の子みたい。アイ」
「偽名のほうだ」
……ちなみに、俺の名前は愛馬 連(あいば れん)この名前のせいで、女あつかいされることもしばしばあった。
それからは、人には親密になるまで名前を隠すのが癖になっていた。
「じゃあ…アイ。あんたは自分の力を使ったことがある?」
「ない……そんなもんは」
少女がいきなり問いただしてくる。
俺はその問いに正しく答えたつもりだ…多分。
「そう、よく今日までもったわね」
「なぁ、何だ……?お前の言うその力ってのは?いい加減気になってしょうがない」
「それを今から説明する。あんたは黙ってればいい」
…………はい。
最初のコメントを投稿しよう!