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「何でだ?」
「力を持った神は自分自身の身体で力を発揮出来ない、でも土地神は例外。力を使わずにいると力が身体の中で膨張し、自我が保てなくなり暴走する。神はそれを恐れている。だから力を使う為には自分以外の生身の体が必要なの…分かる?」
「なるほどな…じゃあ俺みたいなやつは他にもいるってことか?」
少女は頷く。
「私がいい例」
「さっきのか?」
「そう」
ー人間にしてはいい理解力だなー
またどこからか声が聞こえる。
「あんたがその神ってやつ?」
ー口を慎め、小童ー
「……その声、テレパシーみたいなもんか?」
「ちょっと違うわね。これは通信機見たいなもの」
そう言うと少女は自分の首回りを探り始め、中から水晶のように透き通った石のついたネックレスを取り出す。
「なるほどな。俺は自分の神とか言う存在とは話したこともないが」
ーいつとりつかれたかも分からないのか?ー
「だったらなんだ?」
ー口を慎めー
「うるせぇよ」
「つまらないことでケンカしないで」
少女は少し苛立ったのか、さっきとは大分声色が違った。
「随分態度のでかい神様だな」
「それは同感」
少女は頷く。
ー何だと?小童、俺は炎を司る神、炎帝だぞ?貴様など一瞬で灰にしてやるー
「神は自分で力を使えないんじゃなかったけ?」
ー…くそッ!夏目!!ソイツを今から灰にしろ!ー
「余計な殺生は無用」
ーぐあぁ!腹立つ!!次に憑依するならぜってえもっと好戦的なやつにしてやる!!ー
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