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放課後……。
いつものように、ガラの悪い男どもに絡まれていた。
おもむろに財布を要求される。
でも、いまオレの財布には、この男たちの欲求を満たせる程の金は入っていなかった。
「何だよ、これだけかよ、しけてんなぁ」
そういいながらもリーダー核の男は財布の中身を全て抜きとり、空の財布を俺の足元に投げ捨てた。
抵抗はしなかった。別に、腕に自身がなかった分けではない、下手なことをして、また警察のお世話になるのはゴメンだった。
そのせいで、彼女とも別れた、友達も、皆離れて行った。
俺の心は、いまこの足元に転がっている財布よりも空っぽだった。
でも、そんな俺にも高校に入ってようやく友達ができた、この日常を、壊したくなかった。
でも、何かが足りなかった。
何か…人離れした何か……。
リーダー核の男が顔を近づけて来るのも無視してそんなことを考えていた。
……我ながら…狂っている……。
人であるくせに、それ以上の力を欲する。
……狂っている。
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