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当たり前だ。
俺だってどよめきを隠せない。
たった一瞬の出来事だったのに、頭の中に強く映像が焼きつくされた。
「ま、まて。今のは見間違えだ!!よく見てみろっ火傷の跡一つついてねぇじゃねぇか!!」
男共も同じ事を考えていたようだった。
さっきとは違う恐怖心を表情に浮かべている。
そう思うと、残った数名の男達が一斉に少女に飛びかかった。
「つまらねぇ余興しやがってぇ!!!!」
ー少女は何も言わない
ー動こうともしない
ーただ、立っているだけ
ただ、それだけなのに、何故男達は次々倒れて行くのか……。
今の少女からは何も感じない、ただ、姿だけが確認出来る。
辺りが静かになる。
さっきまで五月蝿かった男共は、すっかり活気を無くしていた。
少女のセーラー服は赤い血で汚れていた。
少女は自分の肌についた血を見つめる。
「炎璃(えんり)、清めて」
ーいいのか?後ろにまだいるぞ?ー
どこからか声が聞こえる、少しエコーがかった、低い男の声。
「いい、どうせアイツも、私たちと同じだから」
ーはいよー
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