ひとかけらの石

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  事の発端は一週間前まで遡る。 その日は妹、らいかの三回忌の命日、そしてその法要だった。 法要の前、僕は幼なじみのるりと一緒にらいかの墓へ向かった。 花を替え線香を焚いた時、灰皿の中でるりが石のかけらを見つけた。 深い青色で中にキラキラと黄色の粒が含まれている。小指の爪ほどの石だ。 るりはそれを「らいかの魂かもね」なんて言って僕に握らせた。 ……手を重ねた時にるりが「バルス」と呟いたのなんて聞いていない。 その夜は線香の匂いの残る家にちょっとだけ趣を感じていた。 ふと、ポケットからあの石を取り出す。蛍光灯にかざすと深い青色と黄色い粒で星空のようにも見えた。 ……変化はすぐ次の日に現れた。最初に来たのは倦怠感、頭痛……。僕はてっきり風邪かと思ってた。 けど、違った。三日も経つと痛みは増し、倦怠を通り越して体が動かなくなった。 らいかの法事の後だったから死という言葉が妙にリアルだった。  
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