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「はあ~……それにしても、あたし達いつまでこんなことしてるんだろうねえ」
ひとしきり暴れまわったあと、三人は天井を見上げる格好で寝そべっていた。
楽しい時間は嵐のように過ぎる。
過ぎた後には、虚無感という泥沼が待つのみだ。
かつては裏社会で名を馳せた三人が、今の境遇に満足しているはずはない。
シスタースネークの呟きは、そんな感情がにじみ出たものだった。
「今更こそこそスリやって稼ぐのも侘びしいしなあ……」
「何か僕に似合うような、華麗な職業は……そうだ!」
急に、アラス・ドロムが起き上がり、瞳を輝かせて二人の顔を交互に眺める。
何事かと首を傾げる二人なに対し、アラス・ドロムは驚くべき言葉を発した。
「僕達で、怪盗を始めようじゃないか! 憎きあの三人のお株を奪い、僕達の名を世界に轟かせてやろう!」
「な、なんだって!?」
シスタースネークとホットウェルの声が、同時に響いた。
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