†第八被害者―幻影修行―†

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「おいおい、そこのだらしねぇぞ、コラ」 ブルーは、目を覚ました直後 異様な光景に身を固めた 「やめなよ、グラードンくん!」 「んだよ、いちいちかてぇなぁ、カイオーガ」 自分の頭上で会話をするのは、会話を聞く限り カイオーガとグラードン らしい しかし、イメージとは違って、オドオドと、前髪が目に掛かる程伸ばしたサラサラの青い髪に ちょっとダボダボのパーカー、こちらがカイオーガらしい 気性が荒く、赤い髪の毛をツンツンと立て ノースリーブ、釣り目 は、だいたいイメージとあってたかな? グラードンらしい 「あ、ブルーさん、お目覚めになったんですね!」 「え、えぇ」 ガバッと起き上がるブルーは、まず状況を整理する 「なんだ!いきなり起きんなよ!!」 「グラードンくん!」 「…………ちぇっ」 ブルーは、二人の会話を完全スルーで状況把握を続ける どうやら、自分は、幻影修行に耐えられなかったらしい ほんの少し、悔しい思いもたしかにあったが、それよりも修行に耐えられなかった自分に怒りさえ覚える 「ブルーさん……」 カイオーガに話掛けられはっ、と我に返るブルー 「あ、ごめんなさい、なんだったかしら?」 「はい、今から、ブルーさんには、こちらで修行してから、幻影に戻っていただきます!!」 「あぁ、幻影から落っこちた奴は、皆ここ行きだぜ?」 「そういう、言い方しないのっ!!」 「へーへー、わかってますよー」 「全く、もぅ!!」 「修行って……幻影じゃないの………?」 カイオーガがくるりとブルーの方へ身を翻すと にっこり笑ってこう告げた 「はい、幻影ですよ!ただし、“プチ”ですが」
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