†第八被害者―幻影修行―†

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「アルセウスさま!!大変ですわ」 「どうした、かぐや?」 かぐやの愛称で呼ばれたポケモンは、三日月の化身として有名なクレセリアである 「えぇ、ダイヤに、気質がありますわ」 「なんだと?そんな情報は、知らなかったな……なるほど確かに、ダイヤは敵目前で漫才をする程であったな」 「えぇ、“前向き”で“本当の英雄”の気質……ですわね」 「あぁ、王にも、あんな過去があったんだ」 「えぇ、敵にも情けをかける慈愛、慈悲に溢れるイエローとダイヤには、きっと対抗策になりますわ」 「しかし、今、イエローが王への囚われの姫となっている以上は、彼らの気質を呼び覚まさなくてはだめだ」 「えぇ、王もきっとそのことがわかっていたんですわ……彼女が自分にとってもっとも必要で、もっとも危険なのかを……」 「あぁ………」 かぐやとアルセウスの間に沈黙が起こる かぐやは、複雑な表情で個室のドアを見つめる そして、アルセウスは、決意した 必ずや、図鑑所有者を王のもとに届けると…… 彼らなら、王のことを理解してくれると信じて…
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